まず初めに、姿勢を整え重心を高い位置(高重心)にしていくための基礎エクササイズからスタートします。
胸を張れる状態(胸椎伸展)を作り、骨盤人間になるための基礎である「仙骨」の動きを引き出していきます。
座位高重心起こし

腰の力みを抜き、背中(起立筋)と大腰筋の連動を高めて“高重心姿勢”をつくる基礎トレ。
■やり方
- 足をガニ股にして椅子に座り、全身を脱力。
- 胸椎9番(みぞおちの裏あたり)から背中を丸め→反らす。
- 背中の真ん中を“ぎゅっ”と寄せるように動かす。肩は力を抜く。
- 腰からではなく、背中(胸椎)から伸展する。猫背NG。
- 動作中に「起立筋が引き上がる」感覚を意識。
■ポイント
- 腰が力むとエラー。胸椎9番を支点に動かす。
- 動作後に歩き“足が軽い・腰が楽”など変化をチェック。
- ビフォーアフター確認が重要。
■回数
10回 × 2セット目安
■効果
- 腰・肩の力み解消
- 高重心姿勢の土台づくり
理想の状態:胸が反れる(胸椎9番伸展)
ダメな状態:猫背・反り腰(腰が反る)
主な筋肉:脊柱起立筋(棘筋・最長筋)
歩きで見るポイント:腰部の脱力感
腹押し

大腰筋を目覚めさせ、脚の力みを抜き“スッと動ける身体”をつくる。
■やり方
- 仰向けで、肋骨と腸骨の間を斜めに押す。
- 腹筋ではなく、奥の大腰筋を狙う。
- 深呼吸して力を抜き、吐いたタイミングで拳(第2関節)をゆっくり入れる。
- 押された感覚が出たら、ゆっくり奥から押し返す。
- 片方ずつ行い、終わったら足上げや歩きで変化を確認。
■ポイント
- 押しはやや強めでもOK(痛みがない範囲で)。
- 押し返す感覚=大腰筋が“起きる”サイン。
- 骨盤の左右差・足上げの軽さをチェック。
■回数
10回 × 2セット
■効果
- 大腰筋の活性化
- 膝・前もも・外ももの張り改善
- 骨盤の安定・左右差の改善
- ジョグや動作時の力み軽減
理想の状態:大腰筋から押し返せる
ダメな状態:お腹の奥(大腰筋)から押し返せない
主な筋肉:大腰筋
脚上げのポイント:脚が上げやすくなっているか
胸郭クランチ前

大腰筋(インナー)と腹筋(アウター)を使い分け、骨盤からの出力と加速力をつくる。
■やり方
- 胸椎9番を意識して座る。
- 大腰筋を引き落とし仙骨を伸展する
- 腹筋を固めて肋骨を丸める意識で背中を丸くしていく。
- 身体を丸めていくと仙骨が屈曲方向(仙骨が丸まっていく)に持っていかれるので、屈曲にいかないギリギリのところで止める
- 動作中は腹筋+左右どちらかの大腰筋のみを使う意識で。
■ポイント
- 触りながら筋肉の動きを確認すると◎
- “動きの見た目は小さくても中で動く”のが正解。
■回数
左右交互 × 10回 × 2セット
■効果
- 大腰筋と腹筋の協調性UP
- 多裂筋の伸長反射で加速力向上
- 股関節伸展力の維持・強化
- 腰の反りすぎ防止・姿勢安定
理想の状態:大腰筋と腹筋群の使い分けができる
ダメな状態:腹筋群優位で仙骨が屈曲に持っていかれる
主な筋肉:大腰筋
歩きで見るポイント:仙骨と腸骨の分離、股関節の遅れ・脱力感
胸郭クランチ後ろ

多裂筋と起立筋の使い分けで、インナー主導の“後方安定”と爆発的な動き出しをつくる。
■やり方
- 胸椎9番を入れて座る(みぞおち裏あたりを意識)。
- 多裂筋を引き落として仙骨を屈曲。
- 骨盤は前傾させず、仙骨屈曲をキープしたまま、片側の起立筋を引き上げ仙骨屈曲が解けないように小さく動く。
- 片側10回動かす(少しの可動でOK)。
- 片側ずつ終わったら歩きや足上げで感覚チェック。
■ポイント
- インナー(多裂筋)で屈曲維持 × アウター(起立筋)で伸展を制御。
- 可動域は小さく、「寄せる」イメージで。
- 動作中も胸椎9番の位置を保つ。
■回数
左右交互 × 10回 × 2セット
■効果
- 多裂筋の屈曲維持力UP
- 骨盤の安定・後傾コントロール強化
- 大腰筋を使った前傾動作へのつながり
- 爆発的な一歩・動き出しの改善
理想の状態:多裂筋(インナー)と脊柱起立筋(アウター)の使い分け
ダメな状態:脊柱起立筋が優位に働く
主な筋肉:多裂筋
歩きで見るポイント:仙骨と腸骨の分離、股関節の遅れ・脱力感
仙骨エクステンション

仙骨の“伸展”をつくり、仙腸関節の動きを引き出して軸を安定させる。
■やり方
- 足をやや遠めにセットして座る。
- 胸椎9番をスイッチし、大腰筋を“引き落とす”。
- 同時に多裂筋を引き上げ、仙骨が“背中に近づく”イメージで動かす。
- 骨盤は前傾させず固定。胸椎は後から自然に伸展。
- 小さな動きでOK。仙骨単体を動かす感覚をつくる。
■ポイント
- 最初にあえて腰・背中だけ反るエラー動作を体感し、違いを理解。
- 正しく行うと背中の真ん中が疲れる。
- 腸骨が動かないように、仙骨だけを伸展。
- 背中の位置は変えず、仙骨で動く。
- ラットプルベンチがあれば理想だがなければベンチ台でも可
■回数
10回 × 2セット
■効果
- 仙腸関節の分離&可動改善
- 骨盤と体幹の連動性UP
- 軸の安定・縦方向の動き向上
- カットやドライブ時の“蹴り出し”がスムーズに
理想の状態:大腰筋引き落とし→多裂筋引き上げ
ダメな状態:仙骨と腸骨が一緒に動く、腸骨から動く
主な筋肉:大腰筋・多裂筋
歩きで見るポイント:仙骨と腸骨の遅れ、臀筋の上部内側の収縮、軸が内側になる、仙骨腸骨の遅れ・分離、仙骨→腸骨の順番で動く、仙骨腸骨で推進力を作れている
仙骨ウォーク・ジョグ

仙骨から動かす感覚を身につけ、骨盤と脚の連動を高める。
■やり方
- 大腰筋を引き落とし、仙骨前傾で多裂筋を引き上げる。
- ゆっくり歩きながら、仙骨が動き・腸骨がついてくる感覚を確認。
- 右足だけで行うなど、必ず片側練習から始める。
- 慣れてきたら、空中で大腰筋の伸展→お尻・ハムに繋げる動きを意識。
- ジョグでは反動をもらうように、仙骨伸展のリズムを感じながら行う。
■ポイント
- 最初は小さな動きでOK。仙骨の動きを“感じる”ことが目的。
- 左右差がある場合は、「仙骨エクステンション」で修正。
- 胸郭で反動をもらう(みぞおちから脚が生えて歩いているような感覚)。
■回数
決まりなし(感覚探索を重視)
■効果
- 仙骨主導の歩行・走行動作が身につく
- 骨盤の左右差改善
- 下半身の連動性・推進力アップ
- 反動を上手く“もらえる”感覚が得られる
理想の状態:胸椎で反動をもらえている・仙骨主導・進行方向に対して反動をもらえている・骨盤のテンポ
ダメな状態:タイミングが遅い、股関節や大腿四頭筋で押し込む、着地が前すぎる(位置関係)、膝に乗る、2テンポ、反動を腰でもらう
主な筋肉:大腰筋・多裂筋
歩きで見るポイント:胸椎で反動をもらえているか、1テンポ、膝に乗ってないか、軸が内側か(大腰筋のライン)、大腰筋がたくさん使える