NBA選手のようなドライブスピードや切り返しを獲得するためには、上半身の要である肋骨周辺を働かせ、骨盤からしなるような動きを獲得していくことが重要です。
テーマ2回からは、上半身の「肋骨」や骨盤の「腸骨」も動かしていき、力強くしなる動きと筋肉を使う順番を正していきます。
胸郭フライ(胸郭まで)

肋骨の外転で“高重心の反動”をつくり、走り出しや蹴り出しのパフォーマンスを上げる。
■やり方
- 胸椎9番を意識して姿勢をつくる。
- 外腹斜筋を使って肋骨を内転→外転(前に締めてから開く)。
- 肋骨が外転したら、肩甲骨も外転方向へ動かす。
- 肋骨がしまりきってから、腕がついてくるように。
- 腰や脚の力に頼らず、胸郭だけで動く意識で行う。
■ポイント
- 9番姿勢はなるべく抜かない(外転すると少し抜けるのは可)
- 外腹斜筋の縮みをしっかり感じる。
- 胸郭が動くことで、腸骨外旋の伸長反射が起こる。
■回数
10回 × 2セット目安
■効果
- 高重心の反動が得られる
- 腸骨外旋の強化 → 走り出しがスムーズに
- 大腰筋の引き上げ・肋骨の安定
- 腰や脚の余分な力みを解消
胸郭Rフライ(胸郭まで)

下後鋸筋の連動で肋骨を内転し“後方の伸長反射”をつくる。
■やり方
- 下後鋸筋を使い、肋骨を胸椎方向(後ろ)へ締める。
- 肋骨から胸椎に向かって“斜めに”動かすイメージ。
- 胸郭が後ろに“閉まる”と同時に、腸骨内旋の伸長反射が起きる。
- 腰や肩の力を抜いて行う。
■ポイント
- 胸椎に向かって締める動き=肋骨の内転。
- 正しくできると、肩がスッと抜ける感覚が出る。
■回数
10回 × 2セット目安
■効果
- 背面の伸長反射が促される
- 腸骨の動き・下半身連動が向上
- 背中の安定感・肩の軽さUP
- 胸郭の可動性改善
立位フルクラム(腰方形筋まで)

仙骨の伸展を保ったまま、股関節を正しく外旋できるようにする
■やり方
- 立位で片脚(遊脚側)を軽く浮かせる
- 胸椎9番を意識して、大腰筋を下げ・多裂筋を上げる(仙骨伸展)
- 斜め横に腰方形筋を閉めるイメージで外旋(腸骨外旋)
- 腰や肩に力を入れず、肋骨から動かす意識
■エラー動作
- 身体全体が開く/外転して横に逃げる
- 外もも(筋膜張筋)を使ってしまう
- 仙骨の伸展が抜けて股関節が回る
- 腰を過度に屈曲する
■回数目安
10回 × 2セット
■効果
- 体幹と股関節の連動を高め、軸の安定性を強化
- 大腰筋と多裂筋を協調させて骨盤のねじれを整える
理想の状態:仙骨伸展、腸骨外旋
ダメな状態:仙骨と腸骨が一緒に動く
主な筋肉:大腰筋、多裂筋、腰方形筋
歩きで見るポイント:仙骨と腸骨の遅れ、臀筋上部内側の収縮、軸が内側になる
マルチヒップフロント(仙骨腸骨)

仙骨〜腸骨〜股関節の正しい連動を作り、骨盤の安定性を高める。
■やり方
- 多裂筋で仙骨を屈曲させる。
- その動きで大腰筋を引き上げる(天井から吊られるイメージ)。
- 仙骨 → 腸骨 → 股関節の順で動かす。
- 大腰筋が上がってから股関節を動かす。
■ポイント
- 仙骨屈曲の「引き下げ」と大腰筋の「引き上げ」を同時に意識。
- 動きすぎず、小さな可動でOK。
- 腰を反らさず、力まずスムーズに。
■回数
10回 × 2セット
■効果
- 仙骨と腸骨の連動性アップ
- 大腰筋と多裂筋の正しい使い分け
- 腰部・股関節の安定性向上と腰痛予防
理想の状態:仙骨屈曲(多裂筋引き落とし)、腸骨屈曲・内旋(大腰筋引き上げ)
ダメな状態:仙骨と腸骨が一緒に動く、腸骨から動く、膝・股関節のリズムになっている
主な筋肉:大腰筋、多裂筋
歩きで見るポイント:仙骨と腸骨の遅れ、軸が内側になる、仙骨腸骨の遅れ・分離
仙腸エクステンション

仙骨と腸骨の分離動作を作り、骨盤・仙腸関節の安定性と高重心姿勢を向上させる。
■やり方
- 胸椎9番を意識し、大腰筋を下げ、多裂筋を引き上げる(仙骨伸展)。
- 腰方形筋を引き上げる(腸骨外旋)。
- 腸骨筋を引き落とす(腸骨伸展)。
- 仙骨から腸骨の順で動かし、高い胸郭(高重心)につなげる。
- 足や前ももに力を入れず、仙骨と腸骨主体で動かす。
■ポイント
- 仙骨から腸骨への分離動作を意識
- 足や前ももに力を入れない
- 遅れを作ることで正しい仙腸関節の連動が身につく
- 動きは小さく、コントロール重視
■回数
10回 × 2セット
■効果
- 仙腸関節の分離&可動性向上
- 腸骨筋と腰方形筋の連動強化
- 高重心姿勢の獲得
- 骨盤安定と腰部トラブル予防
理想の状態:仙骨伸展、腸骨外旋、腸骨伸展
ダメな状態:仙骨と腸骨が一緒に動く、腸骨から動く
主な筋肉:大腰筋、多裂筋、腰方形筋、腸骨筋
歩きで見るポイント:仙骨と腸骨の遅れ、臀筋の上部内側の収縮、軸が内側になる、仙骨腸骨の遅れ・分離、仙骨→腸骨の順番で動く、仙骨腸骨で推進力を作れている
立位高重心起こし

骨盤の伸展と仙腸分離を意識し、高重心で前方向の反動を作る。
■やり方
- 胸椎9番を斜め前方向へ向けながら姿勢を作る
- 大腰筋を引き下げ多裂筋を引き上げ仙骨を伸展する
- 腸骨筋・腰方形筋も連動させ、仙骨〜腸骨の伸展を胸郭へつなげる
■ポイント
- 背中と骨盤を近づけない(倒れそうな感覚を意識)
- 骨盤から上半身につなげるイメージ
- 前方向のベクトルを意識して反動を活用
■回数
10回 × 2セット または感覚を掴むまで
■効果
- 骨盤伸展と仙腸分離の強化
- 高重心姿勢での前方向反動獲得
- お尻・ハムの伸長反射活用
- 蹴る力の前方向伝達向上
理想の状態:胸椎伸展、仙腸関節を使える状態、重心位置バランスが均等、腰椎と胸椎の分離、仙骨と腸骨の分離、腸骨と股関節の分離
ダメな状態:猫背、反り腰、膝・股関節重心、仙骨と腸骨が分離できておらず一緒に動く
主な筋肉:脊柱起立筋、大腰筋、多裂筋、腰方形筋、腸骨筋
歩きで見るポイント:腰部の脱力感、重心のバランス(前後左右)、胸椎腰椎の分離・捻れ分岐点をチェック、仙骨腸骨の遅れ
仙腸ウォーク・ジョグ

仙骨と腸骨の動きを分離させ、骨盤・仙腸関節からの反動を胸郭に伝える感覚を習得する。
■やり方
- 仙骨ウォーク・ジョグの動きをベースにする
- 仙骨と腸骨だけを動かすイメージで歩く/ジョグ
- 腸骨筋を引き下げ、腰方形筋を引き上げる
- 歩幅は狭く、足は真下に落とすイメージ
■ポイント
- 前ももに力が入らないよう注意
- 仙骨と腸骨の分離動作を意識
- 胸郭で反動を受けるイメージ
- 動きは小さく、感覚重視
■回数
感覚が得られるまで(決まりなし)
■効果
- 仙腸関節の分離動作強化
- 骨盤・胸郭の連動性向上
- 前ももに頼らない歩行・ジョグの習得